【実測】M1 Max買い替え|Mac Studio M5 Maxは重い作業2〜3倍

MacBook Pro 16 の M1 Max から Mac Studio M5 Max に買い替え、同じ作業を両機で測ったところ、速さは2つの帯に分かれました。アプリの起動や HEVC 書き出しのような日常操作は1.5〜1.7倍、ローカルLLM・文字起こし・CPU での動画書き出しのような重い作業は2〜3倍です。macOS 27 のオンデバイス要約には、速さとは別に中身の差も出ました。
65万円を出して買い替えるなら、自分の作業が何倍になるのかを先に知っておきたいところです。ところが発売直後のレビューは英語圏のものか、M5 Max 側に MacBook Pro のスコアを代用した比較が中心で、同じ持ち主が同じ作業で2台を測った数字は見当たりません。
私は2026年8月26日に Mac Studio を注文し、9月22日に受け取りました。旧機は手放すので、消去したら同じ条件の比較は二度と取れません。そこで9月26〜27日に、同じ117分の録画の文字起こし、同じプロンプトのローカルLLM、同じ動画の書き出しを両機で測りました。この記事では、全12項目の倍率と、移行アシスタントで約38時間つぶした経緯を載せています。自分の作業がどちらの帯に入るかを当てはめれば、買い替えで縮む待ち時間を見積もれます。
比べた2台は、MacBook Pro 16(M1 Max 10コアCPU/32コアGPU/32GB)と Mac Studio(M5 Max 18コアCPU/40コアGPU/64GB)です。
M1 MaxからMac Studio M5 Maxで何倍速くなったか(全項目の実測結果)
日常操作は1.5〜1.7倍、重い作業は2〜3倍と、倍率は作業の種類で2つに分かれました。 シングルコアの世代差は1.67倍に留まり、CPU コア(10→18)と GPU コア(32→40)の増加が効く作業だけが2倍を超えています。
全項目の倍率一覧
所要時間は「M1 Max ÷ Mac Studio」、スコアと tok/s は「Mac Studio ÷ M1 Max」で倍率を出しました。上の5行が日常操作、下の7行が重い作業の帯です。
| 項目 | M1 Max | Mac Studio | 倍率 |
|---|---|---|---|
| Geekbench 7 シングルコア | 2261 | 3775 | 1.67倍 |
| Safari の起動 | 1.15秒 | 0.71秒 | 1.62倍 |
| 写真の起動 | 0.46秒 | 0.28秒 | 1.64倍 |
| システム設定の起動 | 0.71秒 | 0.41秒 | 1.73倍 |
| HEVC 書き出し(10分の動画) | 105.54秒 | 70.56秒 | 1.50倍 |
| Geekbench 7 マルチコア | 14582 | 35657 | 2.45倍 |
| Geekbench 7 GPU(Metal) | 116938 | 244701 | 2.09倍 |
| H.264 書き出し(10分の動画) | 202.37秒 | 81.91秒 | 2.47倍 |
| Whisper 文字起こし(117分・2回) | 379.09秒/389.04秒 | 181.12秒/132.98秒 | 2.09〜2.93倍 |
| ローカルLLM gemma4:26b | 61.4 tok/s | 143.8 tok/s | 2.34倍 |
| ローカルLLM Qwen3.8 | 13.4 tok/s | 42.9 tok/s | 3.20倍 |
| オンデバイス要約(3回) | 2.13〜3.78秒 | 1.03〜1.48秒 | おおむね2倍 |

比べた2台と計測条件
2台の仕様は次のとおりです(Mac Studio の技術仕様、M1 Max の MacBook Pro の技術仕様より)。Mac Studio はこの構成で653,800円でした。
| MacBook Pro 16(Late 2021) | Mac Studio | |
|---|---|---|
| チップ | M1 Max | M5 Max |
| CPU | 10コア(高性能8・高効率2) | 18コア(スーパーコア6・パフォーマンスコア12) |
| GPU | 32コア | 40コア |
| メモリ | 32GB | 64GB |
| メモリ帯域 | 400GB/s | 614GB/s |
| ストレージ | 1TB | 1TB |
計測の条件は4つ揃えました。
- 2台とも macOS 27.0(26A428)
- 電源につないで低電力モードをオフにし、計測ごとに再起動して5分置いてから測る
- Geekbench は3回、ローカルLLM は捨てた1回のあと3回、アプリ起動は5回の中央値を使う
- 動画は両機ともローカルにコピーした同じファイルを使い、ローカルLLM も同じモデルファイル(Ollama のモデル ID が一致)を使う
M1 Max は、初回の計測で低電力モードが入っていた疑いがあったため、140W のアダプタにつなぎ低電力モードが「いいえ」であることを確かめてから測り直しました。表はすべて再計測の値で、初回の値で計算しても2つの帯という結論は変わりませんでした。
なお、これはノート(MacBook Pro)とデスクトップ(Mac Studio)の比較で、チップだけを取り出した比較ではありません。メモリも32GBと64GBで違いますが、今回のローカルLLM は2モデルとも両機で GPU に全部載ったので、メモリ量は速度差の原因になっていません。
日常操作は1.5〜1.7倍(シングルコア・アプリ起動・HEVC 書き出し)
アプリを開く、1コアで回る処理、HEVC 書き出しの3つは1.5〜1.7倍でした。 速くはなったものの、待ち時間が半分になる帯には届いていません。
シングルコアとアプリ起動は約1.6倍
Geekbench 7 のシングルコアは2261から3775で1.67倍です。アプリの起動時間(5回の中央値)も、ほぼ同じ倍率に揃いました。
- Safari: 1.15秒 → 0.71秒(1.62倍)
- 写真: 0.46秒 → 0.28秒(1.64倍)
- システム設定: 0.71秒 → 0.41秒(1.73倍)
アプリの起動は1つのコアの速さで決まる部分が大きく、シングルコアの世代差がそのまま出たとみられます。1回あたりの差は0.2〜0.4秒でした。この計測は一度起動したアプリを開き直す速さで、電源を入れて最初に開くときのコールド起動は含んでいません。
HEVC 書き出しは1.5倍に留まった
同じ10分の動画を HEVC で書き出すと、105.54秒が70.56秒になり、倍率は1.50倍でした。使ったのは ffmpeg の hevc_videotoolbox で、Mac のハードウェアエンコーダー(動画圧縮の専用回路)に処理を任せる方式です。Mac Studio M5 Max の公式仕様にも映像エンコードエンジン×2 が載っています。
処理の中心が専用回路なので、CPU コアが10から18に増えても効きにくかったとみられます(推測)。両機とも実時間の6〜9倍速で書き出せており、10分の素材なら M1 Max でも2分かかりません。同じ素材を CPU で H.264 に書き出した場合は2.47倍で、こちらは重い作業の帯に入りました。
重い作業は2〜3倍(マルチコア・GPU・文字起こし・ローカルLLM)
コアを全部使う作業と GPU を使う作業は2〜3倍になり、117分の録画の文字起こしは約6分半から2〜3分に縮みました。 CPU コアが10から18、GPU コアが32から40に増えた分が、シングルコアの世代差(1.67倍)に上乗せされたとみられます(推測)。ただしローカルLLM の伸びはコア数の増加だけでは説明しきれず、原因は判定できていません(後述)。
Geekbench のマルチコアは2.45倍、GPU(Metal)は2.09倍
Geekbench 7 のマルチコアは14582から35657、GPU の Metal スコアは116938から244701でした。どちらも3回の中央値で、3回のばらつきはおおむね2%以内です(Mac Studio の Metal 3回目だけ約4%低く出ました)。シングルコアの1.67倍とマルチコアの2.45倍の開きが、コアが8つ増えた分の効き目にあたります。
Whisper 文字起こしは117分の録画で2.1〜2.9倍
117分のテレビ番組の録画を、ローカルにコピーした mp4 から Whisper で文字起こしし、2回ずつ所要時間を測りました。
| 1回目 | 2回目 | |
|---|---|---|
| M1 Max | 379.09秒(6分19秒) | 389.04秒(6分29秒) |
| Mac Studio | 181.12秒(3分01秒) | 132.98秒(2分13秒) |
| 倍率 | 2.09倍 | 2.93倍 |
Mac Studio は1回目と2回目で48秒違いました。1回目は動画や Whisper のモデルがまだキャッシュに乗っていなかったとみられます(推測)。そのため倍率は1つに絞らず、2.1〜2.9倍と幅で書いています。
文字起こしの中身は両機で同等でした。全文の一致率は85.6%と低めですが、片方にしか無い50字以上のまとまりは M1 Max 側が16か所・計2,320字、Mac Studio 側が16か所・計2,302字で、ほぼ対称です。違いの出どころは機種ではなく、Whisper が毎回違う場所を取りこぼすことにありました。機種を替えても、精度は上がりも下がりもしていません。
CPU で書き出す H.264 は2.47倍
同じ10分の動画を ffmpeg の libx264(CPU で圧縮するソフトウェアエンコーダー)で H.264 に書き出すと、202.37秒が81.91秒になりました。専用回路を使う HEVC は1.50倍だったので、CPU で書き出す作業ほどコア数の効果が大きく出ています。Mac Studio の H.264(81.91秒)は、M1 Max の HEVC(105.54秒)よりも早く終わりました。

ローカルLLM(Ollama)は2.3〜3.2倍
Ollama で2つのモデルを動かし、生成速度を3回ずつ測りました。tok/s は1秒あたりに出力するトークン(単語より細かい文字のかたまり)の数です。
| モデル | M1 Max | Mac Studio | 倍率 |
|---|---|---|---|
| gemma4:26b(18GB) | 61.4 tok/s | 143.8 tok/s | 2.34倍 |
| Qwen3.8(17GB) | 13.4 tok/s | 42.9 tok/s | 3.20倍 |
プロンプトを読み込む段階(prefill)も、gemma4:26b が812.9から1683.1 tok/s(2.07倍)、Qwen3.8 が241.4から643.8 tok/s(2.67倍)に上がりました。32GB の M1 Max でも2モデルとも100% GPU で動いたので、この差はメモリ量から来たものではありません。
生成速度の倍率は、メモリ帯域の比(400→614GB/s で1.53倍)を大きく上回りました。Mac Studio の Qwen3.8 は、17GB × 42.9 tok/s で約729GB/s と、帯域そのものを超える計算になります。2モデルとも1トークンごとに全部の重みを読む構造(密モデル)ではない可能性と、M5 世代の GPU 演算の強化が候補ですが、今回の2モデルだけではどちらが効いたのか判定できません。
Mac Studio のメモリを64GBにした理由は、購入前に書いた比較記事 Mac mini vs Mac Studio 比較2026|64GB同士の差は66,000円 にまとめています。

文字起こし・CPU での書き出し・ローカルLLM を毎日回すなら、待ち時間はどれも M1 Max の半分以下になります。
M1 MaxではmacOS 27のAI機能に差が出た(オンデバイス要約・Siri)
同じオンデバイスの要約でも、M1 Max は短く要素を落とし、Mac Studio は入力の要素をほぼ全部拾いました。 加えて Siri の表情豊かな声は、M3 以降のチップかつ12GB 以上のメモリが条件なので M1 Max では使えません(Siri AI の対応条件(Apple サポート))。高精度の音声入力も同じ条件と報じられています(Macworld)。Apple Intelligence そのものは M1 以降の Mac で動きます(Apple Intelligence の対応機種(Apple サポート))。
macOS 27 の AI 機能の全体像は 【macOS 27】AIは日本語で動く|新Siriは英語でも順番待ち で扱っています。

オンデバイス要約は約2倍速く、中身も違った
ショートカットの「コンテンツを表示」(オンデバイスのモデルを使用)に同じ約420字の文を渡し、3行で要約するよう指示して3回ずつ実行しました。応答までの秒数は画面収録をコマ送りして数えています。
| M1 Max | Mac Studio | |
|---|---|---|
| 応答までの秒数(3回) | 3.78/2.28/2.13秒 | 1.23/1.03/1.48秒 |
| 応答の文字数 | 約130〜150字 | 約330字 |
| 入力から落とした要素 | 5〜6個 | ほぼ無し |
M1 Max は初回と再計測の2回で応答文が変わりましたが、どちらの回でも次の5つを落としています。
- Intel Mac が対象外であること
- ショートカットから AI モデルを呼び出せること
- 「12GB 以上」というメモリの条件
- M1・M2 の Mac と8GB の MacBook Neo では使えないこと
- 後日のアップデートで追加される2つの機能
1日の使用回数制限だけは、再計測の回で拾いました。
Mac Studio の応答は入力の要素をほぼ全部含んでいた一方、1段落で3行にはなっておらず、要約というより言い換えでした。3行の指示に従っていないのは M1 Max も同じです。両機とも、入力に無い感想を最後に1文付け足していました(M1 Max の再計測では「新しいSiriの機能が増えたのは嬉しいですね。」)。
同じ「オンデバイス」の表示でも、機種によって別のモデルか別の設定で動いている可能性があります。ただし裏付けは取れておらず、未確認です。

Siri の設定画面の説明文が機種で違う
同じ macOS 27.0 でも、Siri の設定画面に出る説明文が2台で違いました。
- M1 Max:「音声録音と文字起こしは改善のためにAppleに送信されます」
- Mac Studio:「音声入力の処理はMacで行われます」
M1 Max には、Mac Studio に無い「リクエスト」という行もあります。文言からは音声入力を処理する場所の違いが読み取れそうですが、Apple の説明で裏付けを取れていないので、ここでは画面の違いの記録に留めます。
Siri の高精度な音声入力は M1 Max では使えず、オンデバイス要約も約2倍速いだけでなく中身が違いました。
Mac Studioへの移行アシスタントで丸2日つぶした
Thunderbolt 直結で13〜22分と見込んでいた移行に、完走まで約38時間かかりました。 経緯は次のとおりです。
- 9月22日10:30、移行アシスタントを開始
- 「ディスクの空き領域が不足」で止まる。Mac Studio の実際の空きは約965GB あり、容量は足りていた
- Time Machine 経由も試したが、「残り約20分」のまま1時間以上動かずキャンセル
- 見立ての誤りが5つ続き、選択画面の「Mac の空き領域」を実際の空きと読み違えて、Mac Studio を初期化しかけた
- 原因だった旧機の仮想マシン系のファイルを消すと、ホームだけの最後の転送は約28分で終了
- 9月24日0:22に完走

効いた備えは、Brewfile(Homebrew で入れたアプリの一覧)の事前書き出しと、アカウント名を変えない方針の2つでした。移行は「ケーブルでつないで20分」では済まないことがあるので、買い替えの予定には移行の日数も見込んでおきます。
容量が足りているのに止まった原因と、移行前に確かめる点検方法は、次の記事にまとめました。
関連記事: 移行アシスタントが容量不足で終わらない|原因は見かけ2.4TBの仮想ディスク

M1 Maxから買い替えるべき人・まだ使える人
文字起こし・ローカルLLM・CPU での動画書き出しを日常的に回す人と、macOS 27 の AI 機能を使いたい人は、買い替えで待ち時間と使える機能の両方が変わります。 ブラウザや事務作業、HEVC 書き出しが中心なら、差は1.5〜1.7倍に留まります。
| 買い替えの効果が大きい人 | 急がなくていい人 |
|---|---|
| Whisper などで文字起こしを回す(2.1〜2.9倍) | ブラウザ・事務アプリが中心(アプリ起動1.6〜1.7倍) |
| ローカルLLM を動かす(2.3〜3.2倍) | 動画は HEVC で書き出す(1.50倍) |
| CPU で H.264 に書き出す(2.47倍) | Siri の音声入力や要約を使わない |
| 高精度の音声入力を使いたい(M3 以降かつ12GB 以上が条件) |
待ち時間に換算すると、117分の録画の文字起こしは1本あたり約3〜4分短くなりました(約6分20〜30秒 → 約2〜3分)。仮に週5本回す人なら、週に約16〜21分の短縮です(5本は計算のための例です)。一方、アプリの開き直しで縮むのは1回0.2〜0.4秒でした。

自分が毎日回している処理を、上の表の2列のどちらに入るかで分けてみてください。
まとめ
- 日常操作(シングルコア・アプリ起動・HEVC 書き出し)は1.5〜1.7倍、重い作業(マルチコア・GPU・文字起こし・ローカルLLM・H.264)は2〜3倍になった
- M1 Max では Siri の高精度音声入力などが使えず、オンデバイス要約も短く、入力の要素を5つ以上落とした
- 移行アシスタントは見込み13〜22分に対して約38時間かかった
買い替えを決めたら、移行を始める前に、容量不足で止まる原因と旧機で確かめる点検方法を読んでおいてください。
動画版(9月28日追記)
同じ文章を2台に要約させた画面と、全12項目の倍率を動画にまとめました。速さの差だけでなく、M1 Max の要約が入力の要素を5つ落としたところも並べて見られます。

こちらもおすすめ
- Mac mini vs Mac Studio 比較2026|64GB同士の差は66,000円(購入前に2機種を比べた記事)

- 【macOS 27】AIは日本語で動く|新Siriは英語でも順番待ち(macOS 27 の AI 機能の全体像)


コメント